今年で4年目を迎えた、9月の北海道自転車一人旅。
ついに北海道最終日となった8日目の今日は、中富良野から三笠を通って岩見沢まで走り、岩見沢から列車で苫小牧東港へ向かう…予定でした。例年よりも順調だった旅の最終日にまさかの展開が…!
今朝は中富良野町のゲストハウス夕茜舎(あかねやど)からスタート。
7時半に朝ごはん。この時期の北海道の朝は冷えますが、温かいごはんで目が覚めます。
夕茜舎、食堂からの眺め。のんびりとした時間が流れています。奥には富良野岳も望めます。
9時ごろ出発。昨日の夜頑張って登ったぶん、下りはあっという間でした。中富良野の平野まで下ると、太平洋を北進している台風の影響からか横風がかなり強く、危険でした。
ファーム富田
強風の中、ラベンダー畑で有名なファーム富田に着きました。ラベンダーの時期は過ぎていますが、サルビアを中心に綺麗な花畑を見ることが出来ました。
ファーム富田
花畑は綺麗ですが、風が強すぎて身体が冷えました。早々と駐輪場へ戻り、出発の準備をしていると携帯に着信が。市外局番から、港がある勇払郡厚真町と表示されたのを見て、新日本海フェリーからだと分かりました。しかしまさか欠航はないだろうと思って電話に出ると…
苫小牧発敦賀ゆき:台風接近により欠航
去年も台風接近で予約した便の敦賀着が20時間遅れることになり、1日早く帰ったことがありましたが、今年は当日に欠航のお知らせでした…
5日くらい前から台風予報はチェックしてきましたが、日に日に東に進路が逸れていくのを見て、これなら安心と思っていた矢先のことでした。仕方なく作戦を立て直します。
秋の北海道はとんぼの季節です。自転車で走っていると激突することもしばしば。
苫小牧〜敦賀、フェリー欠航から帰宅への作戦
- 翌日土曜夜発の苫小牧発敦賀ゆきに乗って帰る→もう1日滞在できるが、翌日の便も運航するか分からない。帰宅が日曜の深夜になり次の日の仕事がキツい→最終手段
- 飛行機→一番楽だが自転車を預けるのが不安→考えにくい
ここまで考えたところで、小樽発舞鶴ゆきのフェリーは運航予定と気付き、行きと同じフェリーに乗ることにしました。ただ舞鶴着が21時半ごろで、舞鶴の終電は早くJRで移動は出来ません。ここでいつも敦賀港まで迎えに来てもらっている、滋賀の知り合いの方に相談すると、舞鶴でもいいとのことで、無理を言ってお願いすることにしました。
苫小牧〜敦賀も小樽〜舞鶴も、日本海経由という点では同じですが、苫小牧便は太平洋側発で津軽海峡を通るルートのため欠航になったのかなと思います。
作戦の立て直しで時間を取ってしまいましたが、これで一安心と再スタート。
道端の廃バス
富良野の平野部は向かい風がかなり強く、まともに走れないため、西へ山間に入り芦別・赤平方面へ向かうことにしました。
かっこいい採石場
山間に入ったのが良かったのか、風は落ち着いて快適に走れるようになりました。
国道38号
中富良野町から芦別市に入り、滝里湖に出ました。空知川を堰き止めて出来たダム湖ですが、大河のようで不思議な風景です。
根室本線・野花南(のかなん)駅
野花南はアイヌ語の当て字ですが、当てられた漢字も含めて北海道らしい地名です。
今年で開業100周年らしく、駅舎内に昔の写真の展示がありました。
むかしは炭鉱からの石炭輸送で栄えていたことが分かります。
お昼ごはんは上芦別の新宝来軒に来ました。
芦別名物のガタタンラーメン!
ガタタンは、とろみがあって具沢山の中華風スープを指すそうで、戦後満洲から引き揚げてきた方が、中国の料理をベースに芦別の中華料理店で売り出したのが始まりです。
食べてみると、とろみがあるスープのお陰で身体が温まり、スタミナが付きそうで、炭鉱の町芦別で愛されてきた理由が分かった気がします。
芦別市街で一段と目を引く大観音と五重塔。もともとはテーマパークとして、炭鉱閉山後の産業を支えるために作られましたが、現在は宗教法人の所有となっています。
根室本線・茂尻駅
駅前広場が広々とし過ぎていました。
古そうな駅舎内にはなぜか鶴の絵が。
悲別ロマン座
赤平市から歌志内市へ入りました。悲別ロマン座は、元々炭鉱職員のための映画館・劇場として実際に使われていた建物が、倉本聰脚本のテレビドラマ「昨日、悲別で」の撮影に使われたのち現在まで保存されています。
歌志内市街のセイコーマートで休憩。歌志内市は人口が3000人で、日本一人口が少ない市です。同じく人口が少ない市として知られる、北海道の夕張市や三笠市と同じく、昔は炭鉱の町として栄えましたが、閉山後は人口が大きく減ってしまっています。
旧JR函館本線上砂川支線・上砂川駅跡
上砂川町の中心にあります。上砂川支線は、函館本線の砂川と上砂川を結んでいましたが、1994年に廃止されました。雰囲気ある木造の駅舎が残されています。
駅舎とともにホームの一部と駅名標、客車が残されています。
"悲別駅"としてテレビドラマの撮影にも使われました。来訪者の台帳を見てみると、毎日何人かの人が訪れているようでした。ドラマで見てから一度来てみたかった…という人もおられるようです。
ここからは上砂川支線の跡に沿うように石狩平野に下り、砂川の市街地からは日本一長い直線道路の国道12号を南下しました。途中奈井江町を通り、列車の移動を考えると美唄でちょうどいい時間に。
美唄駅
セイコーマートで晩ごはんを買い、列車発車の10分前に到着。5分で自転車を輪行袋になおして、まず岩見沢へ。
カツ丼の日のイベントで、お茶がもらえました。本州のコンビニにはない、あったかいご飯が最高です。
札幌駅で7分ほどの停車の間に、お土産を買い込みました。
今の北海道のブーム?ウポポイ
白老町にオープンしたアイヌ文化を伝える施設ですが、道路の案内表示板など至るところで宣伝されていました。
小樽の一駅手前、南小樽駅で降りて港を目指します。のんびり自転車を組み立てて、1.5kmほど走って新日本海フェリー小樽港に到着。
台風の影響で少し遅れるかも…という案内でした。苫小牧敦賀便や、太平洋フェリーの欠航もあってか乗用車は満車、キャンセル待ちが出ているような状況でした。私は身軽な自転車で良かったです。船や電車、最悪車でも移動できる自転車は、不便なようでなにかと便利です。
近くのセイコーマートへ行って買い出しなどして時間を潰していると雨が降ってきました。雨の中乗船を待つのは辛いので、待合所で座っていると1回目の乗船を逃してしまいました。のんびり待って23時ごろ乗船。
自転車を押してタラップを登っていく時、いつも名残惜しさを感じます。
あかしあ号は初めて乗りました。小樽舞鶴便は、行きに乗ったはまなすとこのあかしあが交互に運航しています。どちらも新しい船で快適ですが、苫小牧敦賀便のすずらん・すいせんにはある露天風呂が無いのが残念。銭湯風の屋内展望浴室はあります。
セイコーマートで北海道のものを買い込みました。とりあえずハスカップサワーと山わさび揚げで乾杯!
出港時刻を少し過ぎて、0時前ごろ舞鶴へと動き出しました。
【走行距離】
今日:96.9km
旅の合計:393.6km
(8日目おわり)
(9日目へつづく)