2021.7.24 道南一周2021【8日目】

2017年、学生時代に始めた自転車北海道旅も、今年で5年目を迎えました。今回は未踏の地、道南一周を目標に走っていきます。

8日目の今日は、函館から恵山を往復します。もともとは海沿いに森まで行くつもりで出発したものの、出た時間が遅く断念しました。

今朝はゲストハウス「函館クロスロード」からスタート。今日も連泊するので、荷物は宿に置いて出発します。一昨日から3連泊となりました。

道南一周なので、函館から更に先へ進み、苫小牧まで走るのが当初の目標でしたが、予想以上の暑さに疲れてしまい、今年は函館までとなりそうです。

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まず函館駅近くの朝市に来ました。サーモンづくし丼、ご飯は大盛り無料のお店だったのでもちろん大盛りです。宿の人に教えてもらったお店は混んでいて行けませんでしたが、それでも大満足です。
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青函連絡船摩周丸」1988年まで運航していた船が函館駅近くの岸壁に繋がれ、今はかつての歴史を伝える博物館として整備されています。2年前の函館訪問時に中は見学しているため、今回は外観のみ。

いよいよ海沿いをひたすら東へ走り、亀田半島の先端・恵山を目指します。国道278号を走っていくと恵山方面です。ただ自転車の場合はずっと国道ではなく、集落を通る海沿いの平坦な道を走ると良いと思います。漁港近くの集落では、昆布干しの様子も見学できます。
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国道沿いの斜面に突然現れたアーチ橋。これは国鉄戸井線用の橋梁跡です。戸井線は五稜郭なら湯の川を通り、亀田半島先端近くの戸井までを結ぶ計画でした。ただこのアーチ橋やトンネルなどの建設は進んだものの、戦時中に建設が中断され、結局完成することはありませんでした。戦後も青函トンネル計画時、下北半島と亀田半島を結ぶルートが検討され、実現すれば戸井線の施設も活用できましたが、火山帯上にあることから現在の竜飛岬と白神岬を結ぶルートとなったということです。
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道の駅なとわ・えさんから恵山の眺め。

函館市街を出ると、なかなか休憩できるお店はなく、この道の駅と向かいにあるローソンくらいしかありません。
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名物の昆布ソフトをいただきます。味は思ったより昆布風味が薄く、ちょっとしょっぱいソフトクリームでした。もちろん美味しいは美味しいものの、少し期待はずれでした。

休んだ後はいよいよ恵山へ。
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恵山へはかなり急な坂道でした。最大14%!の勾配標識がありました。暑さも増すなか、休み休み山上を目指します。途中、写真のように赤茶色の山頂も見えました。
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やっとの思いで山上まで来ました。ここは海峡展望台、津軽海峡が一望できる…はずですが、残念ながら海は雲に覆われていました。

海峡展望台から少し下ると、道がなくなり火口原駐車場があります。日陰に自転車を停めて、恵山山頂へ登山道を歩きます。
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火口原駐車場から少し歩いたところで、恵山の特徴である赤茶色の山肌が臨めます。活火山に登ることはなかなか無い機会なので、興味深い風景ばかりです。
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ところどころ、火山ガスが噴出しています。登山道をガスが通り抜けると、今までに感じたことがない、硫黄臭、硫化水素の臭いがしました。硫黄臭はよく温泉のような匂い、とも言われますが、心地よいレベルを超えて身体に悪そうなくらいの濃さでした。
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火山活動で出来たであろう、ごつごつとした岩が山肌に散らばっています。
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火口原に広がる草原と火山岩たち。
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山頂に近づくと緑はほとんど無くなり、岩だらけの風景が続きます。大きな日陰も無く暑いため、岩の小さな影で何とか休みながら頂上を目指します。
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ときおり硫黄分を含んだ、黄色い岩場も見られました。ペンキで塗ったような真っ黄色の石も落ちていて、不思議な光景です。

登山口から1時間くらい歩いてきました。視界に緑がまた戻り、少し開けた尾根が続く所に来ると山頂はすぐそこです。
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ついに山頂に到着!

小さな神社があります。
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恵山大権現。恵山は古くから山岳信仰の対象となっていました。
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大権現から眼下の津軽海峡を望む。相変わらず対岸は雲に覆われて見えませんが、函館市街から走ってきた海沿いの道のりがよく分かります。
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大権現から少し登山口方向へ戻ると、山頂の標柱があります。恵山は標高が618mと、決して高い山ではありません。低山でありながら、火山ならではの荒々しく独特な風景が楽しめるのが醍醐味と言えそうです。
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登山口の火口原駐車場方面を望む。f:id:suzumetravel:20210724235835j:image

登山口まで下りてきました。

下山は早く、30分くらいで下りてこれました。不思議な風景が連続する恵山、是非また訪れようと思います。今度は雲が少なく、津軽半島まで見える天気の日に来たいです。

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道の駅向かいのローソンで買った弁当で、とりあえずお腹を満たします。恵山付近は飲食店が全くなく、道の駅のレストランも15時で閉まるので、やむなくのコンビニ弁当です。

もともとはこのまま北上し、森を目指す計画でしたがこの時間では厳しく断念。大人しく来た道を函館へ戻ります。
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この時間になると暑さも収まり、海沿いの国道は気持ち良く走れました。
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国道からトンネルが見えた気がして、戻って確かめてみると国鉄戸井線の線路になるはすだった、高台の平地が津波避難路になっていました。トンネルもそのまま残されているようです。入口へ近づこうするもあまりの藪っぷりにすぐ諦めました。
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北海道〜本州最短の地、津軽半島まで17.5kmです。津軽半島はぼんやりと見えるような、見えないような…
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釜谷漁港のあたりから見える釜谷富士。小さな山ですが、本家の富士山より綺麗な三角形をしています。案内板によると、古くは航海の目印となっていたのも納得です。
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磯の香りがする中、沢山の昆布が夕日に照らされていました。漁港の周りの家々では、どこも砂利が敷かれた昆布干し場があります。数人で協力して、昆布をまとめて束にしている様子も見られました。初めての自転車北海道旅で、日高半島を走った時は家の前の干し場を越えて、歩道まで昆布が溢れていたのを思い出しました。なかなか衝撃的な光景で、印象に残っています。
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時刻は18時半、函館市街地が近づくと、函館山が見えてきました。ただ今日もまた、山頂の辺りは雲に包まれています。晴れていれば昨日のリベンジで、函館山登山のつもりでしたが、結局函館に滞在した3日間、一度も夜景は楽しめませんでした。写真ように、曇りではない天気ですが何故か函館山のあたりだけ雲がかかっています。
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湯の川温泉のラーメン屋「北海ラーメン」に来ました。昔ながらの店構えです。 
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塩ラーメン・大盛@700円

お店はおばあさんが一人で切り盛りされているようで、壁に掲げられたメニューからお店の歴史が伝わってきます。ラーメンは海鮮風のあっさりとしたスープで、正統派の塩ラーメンという感じでした。ボリュームもあって大満足です。
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湯の川温泉から少し走り、住宅街にある函館乃木温泉なごみに来ました。陸上自衛隊・函館駐屯地の近くにあり、市電の停留場も近いです。もちろん温泉ですが、440円と驚きの銭湯価格でした。湯船も広くのんびり出来ました。
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温泉に入ると少しお腹が空いて、またまた来てしまいました。2日ぶりのラッキーピエロです。
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チーズバーガーとラキポテ!やっぱり味には間違いありません。

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今日も宿はゲストハウス「函館クロスロード」3泊目からは2000円で泊まれます。道南いさりび鉄道七重浜駅、なによりラッキーピエロも近くて便利な場所にあるお宿です。オーナーさんに地元ならではの函館情報も色々教えてもらえて助かります。

明日はいよいよ北海道最終日、夜中の苫小牧発のフェリーに合わせて、列車も使いつつ移動するつもりです。

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【今日の走行距離:108.30km】

【1日目からの合計:725.28km】

(8日目おわり)

(9日目へつづく)