2023.1.4 琉球城めぐりと大東島の旅 【2日目】

今年の正月旅は、一人旅では初となる沖縄へ。

6泊7日の行程で、以前から行きたかった日本100名城のお城めぐりと、到達難易度の高い離島、北大東島南大東島へ向かいました。

2日目は、1日目に運良く入手できたチケットで、那覇から絶海の南大東島北大東島へ飛びます!

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今日は那覇の街中、ゲストハウス「THE KITCHEN HOSTEL AO」からスタート。素晴らしい目覚めでした。ゆいレールの県庁前駅・旭橋駅まで歩いて10分程度と、立地の割に1泊1700円と安く、良い宿でした。

旭橋7:01 那覇空港7:13 那覇空港ゆき
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これからこの中のどれかに乗るはず…那覇空港駅に着く直前、駐機場に並ぶ飛行機が見えました。
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前日空きが出て購入できた、那覇〜南大東乗り継ぎ〜北大東行きの航空券です。北大東か南大東で当日中に乗り継ぐと、通しの運賃になるというのがポイント。直行便と同じ値段で、北大東島南大東島両方上陸出来るという訳です。
ターミナルの3階で荷物を預け、2階から搭乗口に向かいます。那覇空港は何故かカウンターと搭乗口の階が違っていて少し迷いました。搭乗口からはバスに乗って飛行機へ。
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ゆいレールから見て、一番手前に並んでいた飛行機に乗り込みます。ボンバルディアのDHC8-Q400という機種、プロペラ機に乗るのは初めての体験でした。ジェット機は駐機中もエンジンが動いていますが、プロペラ機は搭乗後にエンジンが動き出し、徐々に出力が上げられていく所に頼もしさを感じました。

那覇(OKA)7:55 南大東(MDD)8:55

RAC(琉球エアーコミューター)861便


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離陸に向けて滑走路の南端へ。
那覇空港の滑走路は自衛隊も使用していて、"海上"自衛隊の飛行機が停まっていました。
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ジェット機に比べて短い滑走距離でふわりと離陸すると、あっという間に沖縄本島の上空へ。
見えている滑走路は米軍嘉手納基地のものです。
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CAさんから沖縄バヤリースのドリンクサービス。機内はほぼ満席でしたが地元の方ばかりらしく、貰っている人は少なめでした。
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離陸後小一時間で島が見えてきました。手前が南大東島、奥が北大東島です。両島とも、明治時代に開拓されるまでは無人島でした。古くから琉球王国として栄えていた沖縄本島と周りの島々とは、全く違った歴史を持つ島です。
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いよいよ南大東島に着陸。写真中央の街が、南大東村の中心部である在所地域です。
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ターミナルビルまで歩いて移動。電車の駅ぐらいのサイズ感です。預けた荷物はカウンターに並べられますが、CAの方も荷物を運んでいたのが印象的でした。自分の荷物は那覇空港で乗り継ぎ便として預けたため、運ばれてきませんでした。つまり乗り継ぎ時間の間、手ぶらで南大東島を観光できます。
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沖縄本島からおよそ400km、まさに絶海の孤島です。
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空港ターミナル内の観光案内所で借りられるレンタサイクル。観光客が島内を周るには貴重な足です。1日2000円、電動自転車でした。島内の地図をもらってスタート。
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空港から反時計回りに島を一周しながら、観光スポットを周ることにしました。サトウキビ畑に囲まれた道を走っていきます。島内の道路は9割ぐらいがサトウキビの風景でした。
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まず最初に向かったのは、バリバリ岩。岩に挟まれた光景は、立山の雪の大谷のよう。「南大東島は、フィリピン海プレートに乗って1年間に7cm北西方向へ移動している。その証拠となるのがバリバリ岩で岩間の下から村木ビロウがそびえ立つ秘境探検の地である」(現地案内板より)
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岩壁の間を進むと穴があり、最深部まで進むことができる。穴の中は石が階段状に置かれていて、一応整備はされている様子。
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最深部まで行くと、流石にうす暗く、行き止まりはかまくら状になっていて真っ暗だった。
周りの岩を見ると、ポツポツと穴が空いていて、島全体がサンゴ礁で出来ていることがよく分かります。
バリバリ岩の次は、島一番の観光名所といえる星野洞へ。
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地上の事務所で受付して、地下の洞内へ入るとこの光景。地下迷宮のような雰囲気の鍾乳洞で、その迫力にただただ圧倒されました。
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南大東島サンゴ礁を由来とした、石灰岩の島ですが、雨水が酸性になると石灰岩を溶かしていきます。地下に洞窟が出来て、その状態で島が隆起すると地下水脈が更に深い層に移動するため、大きな洞窟が出来ます。この洞窟で天井から染み出した水が鍾乳石を作り出すということです。
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鍾乳石が伸びていく速さは100年で1cmともいわれ、写真のような数mにもなる石柱は、何万年、何十万年以上の時間をかけて育ったものです。
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育ちすぎて何層にもなっているように見える石柱。南大東島に人がやって来る遥か昔から、ここまで育ち続けていたことを思うと、地球の神秘を感じずにはいられません。
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一番深い場所から見たところ。立ち止まると水が滴る音しかしません。時間が止まったような静けさでした。
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星野洞からバリバリ岩側に戻り、南大東漁港へ。日本でも類を見ない「大規模な岩盤掘り込み方式」の工法で造られた、南大東島唯一の漁港です。
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漁港全体がこちら。湾内は全て元々は陸地で、断崖絶壁に囲まれた島のため、陸地を掘り込んで造られた港です。
漁港が出来る前は、漁船をクレーンで吊って漁に出ていたそうで、案内板にある「長年の夢かなう」の文字の意味がよく分かります。
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時刻はお昼時、お店が集まる在所地域へ向かう途中に線路跡を発見。かつて島に走っていた、サトウキビを運ぶためのシュガートレイン線路跡です。
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南大東小中学校の前には島内唯一の信号機。
お昼ご飯は有名な大東そばのお店「いちごいちえ」でいただきたいところですが、お正月休み(12/31〜1/7)でした。近くのコンビニ風のお店「スーパーミナミ」で惣菜と飲み物を調達。
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せっかくなので海が見える場所、塩屋海岸でお昼にします。今日の海は大東島では穏やかな方と聞きましたが風は強く、白波が立っていました。
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島の惣菜屋さんのタコライスイカフライにジュース1本で700円程度と、本州と大きく変わらない値段でした。お昼に流れる防災無線と波の音を聞きつついただきました。
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再び在所地域に戻り、シュガートレインの蒸気機関車を見学。塩害のせいか錆びて真っ茶色で、形を保つのがやっとという風情です。機関車の後ろには木造の客車もあります。
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こちらは日本車輌製のディーゼル機関車ですが、同じ様子。かつてはサトウキビを運ぶため島を一周するように線路が敷かれていたそうですが、トラック輸送に切り替えられ廃止されました。
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島一番の高所、日の丸山展望台。見渡すと平らに見える島ですが、よく見ると中心部が低くなっている、すり鉢状の島だと分かります。
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島の中央部にて、地面を掘ってため池を造っているようでした。
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ここにもシュガートレインの線路跡。
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海軍棒プール、夏は泳げるそうです。
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出発時刻の30分前に空港に戻りました。那覇からやって来た飛行機で、お隣の北大東島へ渡ります。時刻表では20分の所要時間ですが、実際の飛行時間はわずか6分程度。距離は約13kmと、日本最短の航空路線です。那覇→南大東→北大東→那覇の順で飛ぶ(北大東と南大東どちらが先かは、週の半分で変わる)ため、このような短距離区間が出来ました。

南大東(MDD)14:40 北大東(KTD)15:00

RAC(琉球エアーコミューター)735便

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北へ向かって離陸した後、左へ旋回し、南大東島の上空で着陸装置を展開します。地上にはさっきまでいた在所地域が見えています。
南大東島の上空を一周し再び北に向いたところで高度を下げて、北大東空港へ着陸するような飛行ルートでした。
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座った13列が最後尾の座席でした。壁の後ろは貨物スペースです。
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北大東空港でも歩いてターミナルビルへ。南大東空港と変わらない大きさです。
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レトロな時刻掲示がありました。この日は臨時便もあって1日3便の運航。
カウンターで那覇空港で預けた荷物を受け取って出発。北大東島には3日間滞在する予定です。
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空港から歩き出すと、さっそくサトウキビ畑に囲まれました。
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島の中心部、サトウキビの精製工場の近くにある大東宮。夜になると天然記念物のダイトウオオコウモリが飛び交います。ここで北大東村の港湾課に連絡して、4日目に乗る、那覇ゆきのフェリーだいとうを予約。
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サトウキビ畑の夕暮れ。
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上陸公園からの夕焼けの眺め。南大東島にも灯りが見えます。
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晩ご飯は島唯一のホテル、ハマユウ荘のレストランでいただきました。ゲストハウス・函館クロスロードのオーナーさんと共に。冬は宿を閉めて、北大東でサトウキビ収穫の仕事をされています。
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ネタが漬けてあるのが特徴の大東寿司。八丈島特産の島寿司と同じで、八丈島から入植した人々が発祥といわれます。豆腐のチャンプルーはもちろん、豚肉を塩漬けにしたスーチカーがお酒に合ってめっちゃ美味しかったです。
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今日の宿は北大東総合運動公園でした。
夜は風が弱かったものの、夜中から強風で思ったより寒くて寝たり起きたり。ただ天然記念物のコウモリは沢山見られました。
(2日目おわり)
(3日目へつづく)